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開発コラム 一般企業がカタログ印刷物をつくる

企画からWeb、印刷物作成までをトータルサポート

脱印刷会社?

実はこれ、かなり進行しているのではないかと思います。小さいものでは年賀状がそうですが、本格的な印刷物でも、たとえばマニュアルなんかはかなり以前から進行していました。自分の知る範囲では、販売チェーン店が4色機を買ったとか、製造メーカーが組版システムを買ったとか、問屋さんがチラシを作成して商品と一緒に小売店に販売したとか。最近では海外の展示会に現地の言語で最新情報を提供するために、国内に自動組版サーバーをおいてPDFで現地に飛ばす。現地ではオンデマンド印刷しておしまい、というようなこともあるようです。

データベース+自動組版がお勧め

印刷会社と異なり、一般企業がカタログを作成することは、プリプレス(これは死語でしょうか?)に限ればかなりやりやすい環境です。まず、訂正を何でも受けるという印刷業界的トラウマを考える必要がない。元のデータは社内にある。あまりにも手間隙がかかる凝った印刷物を作ろうとすると、これは採算割れになることは必至なので上司からストップがかかる。あるいは、どうにも手に負えないものだけ外注してしまえばよい。
システム側もかなり整備されてきました。簡単なものではワードのテンプレートが書店で発売されるようになってきました。素材集はどこにでもあります。MicrosoftPublisherのようなシステムを利用すれば、PowerPointでプレゼンをつくる感覚で印刷物ができてしまう。
本格的にやる場合にはデータベースと自動組版をお勧めします。まず、印刷会社に持ち込みしても安全なデータをつくることが可能なシステムが第一です。ワードあたりはかなり不安です。インデザインなどのDTPソフトを利用すれば、通常のWindows環境で印刷レディのPDFやEPSデータができます。フォントはきちんとしたものが望ましいのですが、まあ安いTrueTypeでも普通の人は気づきません。
しかし、 大切なことは今までの印刷会社のワークフローのマネを社内に持ち込むことではありません。コスト圧縮のためだけであれば、内製化は手間隙がかかって引き合いません。わざわざ社内で内製化するには、下にかいたドキュメント管理だとか、Webとの連携だとか、ビジネスのタイミングにあわせたタイムリーなオンデマンド性にこそあります。ビジネスのテンポや仕組みに合うかどうかがポイントです。
これが可能になるためには、データベース+自動組版にかかっていると思います。

簡単で安全に出力できる仕組みづくり

私の知る限りプリプレスの業界はもっとも制約の多いデジタル分野です。よくまあこれだけトラブルがあるものだと感心します。文字が化けた、ロゴが古いものが入ってしまった、金額が違っている・・・。これはなぜかといえば、誰が作成したかわからないデータを印刷データにしようとするからです。ソフト業界でも同様で、人が書いたプログラムは解析するのは大変です。他人のスパゲティソースコードを前にすると、たいていのプログラマは絶望しか感じません。これと同様のことを印刷業界では日常的にやっているわけです。
一般企業がこれと同様の問題を社内に持ち込むことはナンセンスです。では何をやるかといえば、できるだけ自由自在にできない方法で印刷物をつくるプロセスを構築することです。これは矛盾のように聞こえますが、印刷現場でいえば、この自由自在に悩まされ続けているのです。よくある例でいえば、イラストレーターの透明効果は大半の印刷会社でそのままスル~とは印刷できません。四苦八苦しているはずです。あるいはエクセルデータで複合セルにしたデータが多くありますが、これも印刷に反映させるときに苦労しているはずです。要するにこういうことをしない仕組みづくりが大切で、この面でもデータベースと自動組版は最適です。あらゆる機能を盛り込んだ自動組版もありますが、これはもう自動と呼べるかどうか。
たいていはテンプレートを選択してデータをデータベースから流すと完成。このデータであれば、プリンターから出力しようが、印刷会社に持ち込みしようが安全です。ホームページ作成で、JavaやFlashで悩み続けるより、テンプレートで作成したほうがたいていは安全なのと同じです。

プランニングやドキュメント管理やWebとの連携をこそ

企業で印刷物を内製化するメリットの最大のものは、プランニングやオンデマンド性が発揮できることだと思います。ようは新規開拓やセールや発表会などのビジネスタイミングにあわせて、タイムリーに印刷物がつくれることです。あるいは、お客様個別の印刷物作成も入るかもしれません。たとえば一日のセールス活動で、老人ホームと問屋さんの展示会と幼稚園を訪問するとします。老人ホームでは老人が使う商品だけの抜粋版を作成しておけばいいのです。問屋さん展示会では、協賛商品だけを準備しました。幼稚園では、小さい子供さんむけだけの商品抜粋版を持参しました。総合カタログは別にあったとしても、こういうお客様にフィットする商品だけを抜粋したカタログは喜ばれるものです。
御社がどんなお客様に何をうるか、これがビジネスの基本ですから、印刷物もその基本に従う方法がベストなのです。更に最近ではWebとの連携もとても効果のある仕組みになってきました。大量の商品の説明が満足でない場合、音や映像を含めた詳細説明はWebでというのもお客様への親切になるでしょう。こういう仕組みづくりであれば、紙のカタログもまんざら捨てたものではありません。

印刷会社はどうすればいい?

上記のようにお客様が自分で印刷物を作ってしまうことに対して、印刷会社は仕事が無くなってしまうのでしょうか? 実は全然心配は要らないだろう、というのが今の感想です。これは実際にお客様のドキュメント生成に立ち会った上での感想です。
たとえば最近増加してきたバリアブル印刷、マーケティング側ではOne2Oneマーケティングに対しての運用開始をしようとしたとします。これが非常に始めにくい。なぜかといえば、お客様(一般企業)側で顧客管理をしていないからです。感覚的には1/10くらいの企業に顧客リストが管理されていて、更に顧客『管理』と名がつくような運用をされている会社は1/10ぐらい。要するに100社に1社ぐらいしか全うな顧客管理をしていないわけです。この不明なマーケットに対してセールス活動をしようとして印刷物をつくるわけです。
頭のいい印刷会社さんなら答えは簡単に導き出せると思います。要するにお客様(一般企業)に先回りして、マーケティング知識を導入したり顧客管理のノウハウを導入したりすれば、お客様の信頼は抜群になるからです。印刷物はシステム開発と同様に、お客様の懐奥深くに関与する仕事です。単純にモノを売るとか買うだけではすみません。印刷物の出来上がり次第ではお客様の会社のビジネスを左右するぐらい大切な仕事です。マーケットの分析結果はこうですよ、ソレに対してのアクションはこうですよ。こういう具合に印刷物をつくってこういう運用をすれば成功します、と説明できればいいのです。あるいは、そういう仕組みを準備すればよいことになります。
まあ、簡単に事は運ばないかもしれませんが、まず紙ありきの世界から、この紙をどのように利用して、お客様がどう運用すればいいのかを考えればよいことになります。Webやメールとの使い分け事例も印刷会社のほうがよく知っているはずです。何せ、マーケティングを実行していて自社でWebも印刷物も作成してしまうハイスキルの企業さんは少数派なのですから。

2006/10
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